
沢登りは、着用するウェアに強烈なタフネスを要求します。約2年にわたり、トップクライマーのアドバイスやリクエストを受けながら現場テストを繰り返した結果、これまでのアウトドアの常識を超える素材開発を行わねばならないことがわかりました。そしてついにメトロポリスは、ミリタリースペック等で養った技術開発を背景に、最強の沢登り専用ウェアを開発するに至ったのです。
「メトロポリス」は公官庁向け防護衣や民生用の防護製品を開発しているブランド
だ。軽量で強じんである防護衣の開発や、防刃手袋や防水および撥水製品の開発
に特化したユニークな背景を持つ。その機能性や耐久性を徹底追求してきたノウハ
ウを活かし、2014年よりメトロポリスのニューラインとして、沢登り専用のオリジナル
ウエアをリリースする。沢登り用のウエアに防護性や耐久性を付加したところに特徴
がある。いくつもの試験を重ね、妥協なく作り上げたウエアは、サンプルモデルの段階
からプロフェッショナルたちからの多くの意見を取り入れて開発されている。米軍のコ
ンバットウエアに使用されている強度に優れた「スーパーファブリック」や、沢登りに
適した多機能素材「ウルトラシールド」などを素材として採用。荒々しい岩場や、激し
い水飛沫が飛ぶアウトドアフィールドにおいて、高い信頼性のもと快適な着心地と
共に着る人の身体を護る。
メトロポリスのウエアの主素材は、「ウルトラシールド」と呼ばれる防水透湿機能に優れた3層構造のニットウエアを採用している。
肌面に当たる最下層には暖かみのある保温フリースが使われ、中間層にはストレッチ力を持つ防水透湿ポリウレタンメンブレンを使用。
最も表側には撥水性のある摩耗強度の高いナイロンスパンニットを使用。このウルトラシールドは収縮性に富み、身体にフィットしながらもダイナミックな動きにも追従する運動性を実現する。
水中では体温の消失を防ぎ、陸上では蒸れを最小限に抑える透湿性も発揮。まさに水陸両用ウエアには理想のマテリアルだ

はっ水性とは水をはじきやすい機能を指し、水の侵入を防ぐ機能と同義ではない。しかし沢登り用ウエアにははっ水性も重要。滝から降り注ぐ水の飛沫を跳ね返すことが期待できる。優れたはっ水性を有した素材ほどこのように水滴を球体にして転がす
スプレーテスターではっ水度試験を行う
試験片(約20cm×20cm)をシワが生じないようスプレーテスター(はっ水度試験機)に固定し、
スプレーノズルの先から250mlの水を25~30秒で散布する試験を行った。この試験はJIS規格に準拠した
正式な測定方法である。水の散布後、試験片の濡れた状況からはっ水性能の判定を行う。
メトロポリスのウエア素材は、最高クラスの評価が得られた
TEST1
はっ水性能の評価は5点を満点としている。結果はすべて満点。高い性能を持つことが証明された

ケンテストセンター試験結果
※はっすい性は使用頻度と洗濯などにより劣化します。
防水性と撥水性はイコールではない。防水性とは水を染み通さない機能を意味している。
沢登りでは、岩場から岩場へと移動する際に水中を泳ぐケースがしばしばある。
また夏場は清涼な水の中にあえて身体を浸して、ゆうゆうと泳ぐのも沢登りの醍醐味である。
そのため沢登り用ウエアにとって防水性はなにより必須の機能に挙げられる。
沢での冷たい水は運動や活動を妨げるばかりでなく体温が奪われていく原因にもなるからだ。
メトロポリスのウエアには、防水透湿メンブレンが使われているため、水の侵入を抑える防水力に加えて、
汗の放出を促す透湿力も兼ね備えている。快適な沢登りを行うためには、高機能素材を使ったウエアを選ぶべきである
※ウエアの縫い目は、防水処理が行われておりません
スポーツウエアには透湿性能は非常に重要だ。運動時にかいた汗が外に蒸散されなければ身体が汗で濡れ、
不快感と共に身体を必要以上に冷やしてしまう危険性がある。大人の発汗量は平均的に平穏時で1時間あたり50g。
激しい運動を行った時には1000gにものぼる。ウエア自体が汗を吸えば、それだけでかなり重たくなってしまう。
したがって常に汗の水分をウエアの外に放出しなければならないのだ。しかし沢登り用ウエアには耐水性も求められる。
したがって外部からの水を通さずに、なおかつ内部からの汗の蒸散を妨げない機能がなくてはならない。
3層構造素材「ウルトラシールド」はその両機能を併せ持っているため、沢登り用ウエアには最適な素材だといえる
メトロポリスの沢登り専用ウエアには、随所に「スーパーファブリック」が使われている。
肩周りや肘、膝など岩場に当たって擦り切れを起こしやすい箇所にスーパーファブリックを装着し、
ウエアの強度を格段にアップさせている。スーパーファブリックとは摩耗強度や耐切創強度を持った
特殊素材で、EN ISO 13997テスト(ISO規格:鋭利なものに対する防護服の性能)およびEN388
(ヨーロッパ規格:防護手袋に求められる要件)において耐切創、摩耗抵抗、引裂き抵抗などで
最高レベルの性能評価を獲得している。また軽量で柔軟性も併せ持つのも特徴だ。鋭い岩場で身体を
擦りつけても、ウエアとともに身体を保護する役目を果たす。
DETAIL特異なパターンで覆われたテクスチャー
表面は硬質な保護プレートで覆われている。アーティスティックパターンと称され、小さな隙間がある。防汚効果が高く、優れた通気性を持つ
ミリタリースペックの実績を持つメトロポリスゆえの信頼性
耐久性
タフな素材は、高い耐久性を提供いたします。
摩耗/耐切創
こすり、すりなどのダメージに対する対摩耗、耐切創を提供します。
汚れに強い
ほこり、土、あか、泥などの汚れに強い。
通気性/速乾性
防護プレートパターンの小さな隙間から空気が通ることにより、通気性と速乾性を提供します。。
テスト機関による試験結果も抜群の成績
スーパーファブリックをイギリスにある試験認定機関であるITS Testing Service(UK)Limitedおよび国内にある財団法人カケンテストセンターにて試験を行った。
TEST1川原の石を片手に表面を何度も繰り返しこすってみる
摩耗性を確かめるべく、スーパーファブリックの表面を石で何回かこすってみた。ゴシゴシこすろうとも表面には傷や破れや裂けをついに引き起こすことはなかった。
TEST2生わさびも楽にすり下ろせる
試みに生のわさびをこすってみたら、見事にわさびがおろせた。しかし実際に手で触ってみると表面の肌触りはとても優しい
TEST3摩耗試験
生地の耐久性を比較するためにJIS L 1096 A1法(耐水研磨紙P400C-CW、荷重4.45N)の条件で、他社撥水ニット、UltraShiledおよびスーパーファブリックを比較テストした
結果:スーパーファブリックの生地は、他社はっ水生地の122倍に相当する10万回以上の摩耗試験に耐える、という驚異的な性能を見せた。またUltraShiledも、他社はっ水生地の10倍近い数値を示した
TEST4耐切創試験
防護服の耐切創試験規格として、ISO13997が世界標準テストとして行われている。スーパーファブリックも防護服としての性能評価をISO13997で行った。比較のため、当社が開発したUltraShield(左ページ参照)および他社の撥水ニットも同時に試験を行った
ISO13997の測定機としてTDM-100が使用される。20mmの長さを切断するための負荷荷重を最低5回測定して平均値を出す
イギリスの試験機関ITS SERVICE(UK)LIMITEDにて試験
結果:スーパーファブリックの生地は、他社撥水ニット生地に比べ約6倍の耐切創度を持つことが判った